法人の決算で確認する点 役員報酬の金額

会社が決算を迎えますと、定時株主総会にて決算の承認が議案としてあがり承認されるという手続きが進められることが多いです。それと同時に「役員報酬の金額」が議案としてあがり金額の変更等が行われます。役員報酬はその期の業績に応じて慎重に決められることをお勧めいたします

会社の業績が芳しくない状況で役員報酬を増額するとどうなるでしょうか。業績を圧迫することになりかねませんし、金融機関から見ると業績が芳しくないのに融資した事業資金が役員報酬になることをみるとあまり良い評価とならないケースもあると思います。逆に、業績が上向いているケースでは積極的に役員報酬を増額するのが通常です。最近は給与所得控除額が縮小されていたりして給与に対する税負担と法人の所得とした場合の税負担の比較検討にやや苦労するかもしれませんが、役員報酬を増額することで会社外での社長の万が一のための資金繰りともなりえます。

参考資料:役員報酬(定期同額給与)

法人の決算書で確認する点 債務超過か否か

会社が決算を迎えた際に確認する点の一つとして「純資産の部」がございます。これは貸借対照表の資産から負債を差し引いた金額を示します。この「純資産の部」がマイナスになっておりますと債務超過の状態にあり、金融機関等から評価を受ける場合には評点を下げてしまう要因となります。

 会社は毎期、利益をだしていくことで債務超過の状態から抜け出すことができるのですが、債務超過の金額が大きい場合には債務超過を解消するには少し時間がかかることとなります。役員借入金などの債務免除などにより債務超過の状況を改善するという方法もございます。会社が債務超過の状態にある場合は顧問税理士に相談されることをお勧めいたします。

確定申告を税理士に依頼したほうがよいケース

個人事業者の方が事業をおこなうと、金融機関に融資申し込みをするということは十分に考えられると思います。今まで確定申告で納税額が少なくなればいいといった感覚でご自身で申告書を作成していると、気が付くと売上と費用の金額がほとんど同じであったっり、業界平均の粗利率とは程遠い粗利率で申告書ができているようなケースをたまに拝見することがあります。納税は少なくて済んだとしても金融機関は確定申告書を見て信頼できる事業者なのか検討いたしますので、「信頼される申告書」を作成して申告を続けることが金融機関等からの信頼を受けるためにはとても重要なことになります。ご自身の申告書を見て自信をもって「信頼される申告書」というご認識ができない場合には、税理士に依頼して適切な申告書を作成頂くことも一つの選択肢ではないかと思います。

賃貸物件(アパート)を取得する際の融資(資金調達)ができない理由

賃貸物件(アパート)を購入して不動産賃貸業をはじめたいという方は多くいらっしゃいます。しかし、いざ購入したい物件が決まりそうになって銀行に融資申し込みをしたら融資が受けられなかったということはたまに聞くお話になります。もちろん、融資がおりなかった理由はいくつも考えられます。そうした理由の中で税理士目線で一つこれから賃貸物件(アパート)を購入したい方が知っておかれたほうが良いことは「賃貸物件の購入予定価額と金融機関の賃貸物件の評価額は異なるケースがある」ということです。これはなぜそのようなことが起こるかといいますと、賃貸物件の場合は不動産としての評価額に賃貸物件の収益力などの価値が上乗せされて販売価格が決定すすことが多いことに起因していることがあります。この収益力などの価値が高い物件ほど金融機関が融資する際の賃貸物件の評価額(担保価値)が低くなってしまい、ある程度の自己資金がないと十分な融資がおりないということが起こりうるのです。(金融機関が賃貸物件の評価をする場合は利回りなどの収益性を考慮しないケースが多いようです)

不動産賃貸業(アパート経営)で気を付けるべきは損益よりも資金収支と考える理由

不動産賃貸業(アパート経営)で第1に注意すべきは資金収支になります。何故かと申しますと、損益がたとえ黒字だとしても借入金の返済がそれを上回っている場合は経営難に陥る可能性が高いからです。たまに借入金の返済は経費に計上されると勘違いされている納税者の方もいらっしゃいますが借入金の返済は経費ではありません。借入金で物件を購入してアパート経営などをはじめる場合には借入金の月々の返済額が月々の減価償却費の範囲内になっていることが大切に思います。その年の減価償却費の範囲内で借入金の返済が賄われていれば損益で黒字になった場合(少なくとも損益がちょうどゼロの場合でも)、その利益から税金を差し引いた金額は内部留保、いわゆる事業主の手取り額となります。

減価償却費は損益上経費として計上されますが、実際には資金の支払は生じませんので、減価償却費の金額は不動産賃貸業の資金となってまいります。これを「自己金融効果」といいます。

コロナ融資についての金融庁の考え方(金融機関編)

金融庁は新型コロナウイルス感染症の影響などによる中小企業の金融の円滑化について意見交換会などを実施し金融機関関係団体に対しいくつかの要請をしております。この「要請」という表現はとても強い印象で、国が金融機関に対して強いメッセージを発信していると考えます。令和5年3月7日に開かれました「中小企業の金融の円滑化等に関する意見交換会」には、政府側として経済産業副大臣・農林水産大臣政務官・国土交通大臣政務官などが出席され、金融機関側としては全国銀行協会会長・全国地方銀行協会会長・全国信用金庫協会会長・全国信用保証協会連合会会長などが出席しております。

意見交換会の内容を拝見すると「貸付条件の変更等の実行率は極めて高い水準で推移しているものの、事業者からの返済期間・据置期間延長の事前の相談において、すでに元金返済を開始している事業者や2度目3度目の条件変更の事業者も含め、申し込みを断念させるような対応を取らないことは無論のこと、返済期間・据置期間の長期の延長等を積極的に提案するなど、既往債務の条件変更や借換え等について事業者の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応を継続すること。」などという文章も確認できます。「申し込みを断念させるような対応を取らないことは無論のこと」などの部分はとても強い表現ですね。皆様がコロナ融資を申し込みをする際の金融機関の担当者に金融庁が各金融機関関係者に要請した内容を十分に理解して対応してくれている方はどれくらいいるでしょうか?担当者がコロナ以前と変わらない対応で接してきたら注意する必要があると思います。単純に経営分析等の結果だけで融資審査をしているようでしたら「コロナ感染症の影響や金融庁が要請していることをどれだけ斟酌しているのか?」尋ねてみるのもいいかもしれません。残念ながら民間金融機関の場合は支店の評価、担当者自身の評価を優先に考えて動いてしまう可能性があるからです。コロナウイルス感染症が5類に移行したとしても、金融庁や財務省が発している「要請」は日本の中小企業への資金繰りの後押しとなり経済復興につながってほしいと感じます。

金融庁資料 「中小企業の金融の円滑化等に関する意見交換会」(令和5年3月7日)、「年度末における事業者に対する金融の円滑化等について」(令和5年3月7日)

 

コロナ融資についての財務省の考え方(日本政策金融公庫編)

やっとコロナウイルス感染症が5類になり世の中が平時に戻るかと思いきや経済はなかなか回復とまではいかない状況が続いております。そうした中、財務省は「中小企業・小規模事業者等に対する金融の円滑化について」という文書を令和5年8月31日付けで発表しております。この文書を見ると「更なる中小企業・小規模事業者等の支援の徹底等の観点から、以下の事項について改めて要請いたします、、、」などの記載がございます。国は日本政策金融公庫などへ「支援」の「要請」をしているということです。財務省が発するメッセージとしてはインパクトがありますね。この文書の(2)では「返済期間・据置期間が到来する既往債務の条件変更や借換え等について、返済期間・据置期間の延長等を積極的に提案するなど、中小企業・小規模事業者等の実情に応じた迅速かつ柔軟な対応を継続すること。」とあります。条件変更や据置期間の延長について積極的に提案するように国は日本政策金融公庫などに要請しています。経営者の方は十分にご認識されることをお勧めいたします。参考資料として財務省が発表しているその他の文書をあげておきます。

参考文書

財務省 「事業者等に対する金融の円滑化について」(令和4年3月4日)

財務省 「新型コロナウイルス感染症に関する事案に係る危機対応業務終了後の資金繰り支援等の徹底について」(令和4年9月12日)

財務省 「中小企業・小規模事業者等に対する金融の円滑化について」(令和5年8月31日)

経営者の銀行との付き合い方(業績が悪かった時)

金融機関より融資を受けている場合は、一般的には決算後、決算書一式を提出します。経営状況が良ければ提出しやすいですが、あまりよくない経営状況であった場合は決算書は提出しにくいですね。そんな時こそ冷静に決算書をご覧になってみてください。業績が良くなかった理由が、売上であれば前期に比べて減少に至った理由を整理されるとよいと思います。売上が前年対比であまり変わっていないけれども設備投資や修繕費で経費が大きかった場合などは将来への投資と考えられますので、今期業績がいまひとつでも来期以降への期待感はあると思います。仮に売上が前期対比で減少していたとしても、減少している原因きちんと把握していて来期への改善方法を整理されているくらいですと、いざ銀行担当者と話しても金融機関側は「財務諸表を把握していて来期の見通しや改善点をすでに考えている経営者」として信頼を得られるのではないかと思います。業績が悪かった場合は「悪かった」というだけの報告になると金融機関にマイナスの印象をもたれることもありますのでもったいないです。業績が今一つの決算の時ほど信頼を得られるように準備したいものですね。

経営者の銀行との付き合い方(創業融資編)

社長さんが初めて銀行に融資申し込みをする場合(創業融資のケース)は緊張しますね。野球で百戦錬磨の高校に新設校が練習試合を申し込むような気持ちでしょうか?

圧倒的に知識や経験がある銀行に融資申し込みをしたり、担当者と面談をしたりというのは社長にとっては不利な状況といえると思います。

不利な状況(融資について知識や経験が乏しい状況)ではできるだけ情報収集をして、申し込みや面談にいかれることをお薦めいたします。とりあえず行ってみようという程度の気持ちで行ってしまうと、いろいろ質問をされると緊張してしまい事実をうまく伝えられないことにもなりかねません。

かといってネットで検索して創業融資申込経験者の話を読んでも、信用できるレベルの情報なのか否かわかりずらいですね。そういう時はぜひ顧問の税理士にご相談ください。少なくともある程度経験のある税理士であれば融資申込書を書く際の注意点や面談の際の対応について話をしてくれるはずです。

銀行の担当者によりますが、面談のスタンスは大きく分けますと「どうしたら融資できるか?」というプラスの視点で対応してくるケースと、「どういう点が問題なんだろう?」というマイナスの視点で対応してくるケースがあると思います。両方の視点からご対応頂けると助かりますね。しかし、明らかに「どういう点が問題なんだろう?」というスタンスで繰り返し質問をされると社長さんは緊張してしまい事実をうまく伝えられないこともあります。あらかじめ融資を受ける際の課題を整理しておくと良いかもしれません。積極的に「どうしたら融資できるか?」というスタンスで接してくれる担当者は私の経験ではいい担当者です。自分の担当者がどういうタイプなのかわかる余裕があるといいですがなかなか難しいですね。

消費税 インボイス導入の際の補助金

令和5年10月1日から消費税の仕入税額控除の方法としてインボイス制度が始まります。インボイスを発行するためには登録申請が必要で登録されると事業者番号が交付されインボイスに記載することになります。この事業者番号を請求書や領収書に記載するためにソフトウエアなどを購入する場合などには補助金が使える場合がございますのでぜひご確認されると良いと思います。

参考資料

インボイス制度(国税庁 パンフレット)

IT導入補助金(中小機構)

小規模事業者持続化補助金 特別枠 インボイス枠

事業復活支援金を活用しましょう!

事業復活支援金の申請期間は、令和4年1月31日から5月31日までとなります。

対象となる事業者は下記の二つの要件を満たす必要がございます。 

1 新型コロナウイルス感染症の影響を受けた事業者
2 一定期間の売上高が50%以上又は30%以上50%未満減少した事業者

給付金額は中小法人等は上限最大250万円、個人事業者等は上限最大50万円が支給されます。
コロナ感染症の影響で売上が減少している事業者の方はぜひご確認してみてください。

参考サイト:事業復活支援金について(中小企業庁)

家賃支援給付金について発表がありました!

経済産業省より「家賃支援給付金」について発表がありました。

5月28日(昨日)の発表内容は以下の通りです。

(以下経済産業省)

経済産業省・中小企業庁は、新型コロナウイルス感染症の拡⼤を契機とした自粛要請等によって売上の急減に直面する事業者の事業継続を下支えするため、固定費の中で大きな負担となっている地代・家賃の負担を軽減することを目的として、テナント事業者に対して「家賃支援給付金」を支給します。

多くの事業者の方が待ちわびていた給付金ですね。

給付対象者についてはシンプルです。

(以下経済産業省)

【給付対象者】

中堅企業、中小企業、小規模事業者、個人事業者等であって、5月~12月において以下のいずれかに該当する者に、給付金を支給。

①いずれか1カ月の売上高が前年同月比で50%以上減少

②連続する3ヶ月の売上高が前年同期比で30%以上減少

①は持続化給付金等でもありました、前年同月比が50%以上減少です。②で「連続する3ヵ月の売上高が前年同月対比で30%以上減少」とあります。これは持続化給付金にはなかったものです。50%以下でないから駄目だとあきらめないで、3か月平均をだしてみましょう。

給付額は6か月分まで支給になるようです。

詳しくは以下のサイトをご覧ください。

経済産業省NEW! 家賃支援給付金

持続化給付金の税務上の取扱いは益金算入(個人事業は総収入金額に算入)

経済産業省に掲載されている問い合わせが多い事項のなかにこの給付金の税務上の取扱いがあります。内容は下記のとおりです。

Q15.持続化給付金は課税の対象となるのか。

・持続化給付金は、極めて厳しい経営環境にある事業者の事業継続を支援するため、使途に制約のない資金を給付するものです。これは、税務上、益金(個人事業者の場合は、総収入金額)に算入されるものですが、損金(個人事業者の場合は必要経費)の方が多ければ、課税所得は生じず、結果的に課税対象となりません。

経済産業省の参考サイト 持続化給付金の税務上の取扱い

持続化給付金の支給額の算定方法の変更

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経済産業省から5月8日以降の持続化給付金の支給額の算定方法の変更に関する情報が発表されました。

主なポイントは、10万円未満の金額を切り捨てずに後日支給するということのようです。

経済産業省「持続化給付金の支給額の算定方法の変更」

新型コロナ関連情報まとめ 業種別パンフレット・給付金申請方法・融資・雇用調整助成金等

新型コロナ関連の政策が多数発表されましたのでまとめてみました。

最新情報1

経済産業省は4月23日に「新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業者の皆様にご活用いただける業種別支援策リーフレット」を作成しました。業種ごとに具体的な支援策をまとめています。PDFでダウンロードできます。

経済産業省 「新型コロナウイルス感染症により影響を受ける事業者の皆様にご活用いただける業種別支援策リーフレット」

最新情報2 

経済産業省は4月27日に持続化給付金の申請方法等をHPにアップしました。

経済産業省 持続化給付金申請方法

1 「新型コロナウイルス感染症特別貸付」と「特別利子補給制度」について

この2か月間の金融機関の動きをみておりますと民間の金融機関は今回の融資にはあまり積極的な印象はありませんでした。一方、日本政策金融公庫は経済産業省の報道発表をみる限り、また融資の現場をみていても積極的に融資に取り組んでいる印象を受けました。特にこの特別貸付と利子補給制度は「仕事が止まった」「今後売上が大きく減少しそうである」とお感じの事業者の方には支援してくださる内容ですので、資金繰りでお困りの場合は、公庫にいかれるのが今のところ最善だと思います。

ご参考資料 日本政策金融公庫「新型コロナウイルス感染症特別貸付」他

同上 解説動画(クリックしましたが起動に少し時間がかかります)

2 「持続化給付金」につて

給付金についてのお問い合わせはとても多いのですが、経済産業省のHPをみるかぎり「申請に必要な事項の詳細等については、4月最終週を目途に確定・公表する」とありますので、この公表まで待たないと明確な判断はできないかと思います。上記の最新情報2に示しました通り4月27日に申請方法が発表されました。

ご参考資料 経済産業省「持続化給付金」

同上 解説動画(こちらは起動はスムースでした)

3 「雇用調整助成金」について

こちらは皆さんご自身で問い合わせをしたり社労士に相談されているケースが多く見受けられます。この助成金は「雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含める」というのが特徴です。雇用保険に加入していない労働者だからだめだと判断された事業者の方は、もう一度ご確認の上ご相談されてはいかがかと思います。

ご参考資料 厚生労働省「新型コロナウイルス感染症にかかる雇用調整助成金の特例措置の拡大」について

同上 解説動画(こちらも軌道はスムースでした)

4 国税等の納税猶予について

つい最近の発表ですが、新型コロナウイルス感染症の影響により納税が困難な場合には猶予ができるという発表がありました。一定の要件を満たす場合には1年以内の期間に限り納税の猶予が認められるというものです。但し書きで、国税の滞納がある場合には要件を満たさないとありますが、(注2)ですでに滞納がある場合でも換価の猶予が受けられる場合がありますとありますので、大変な状況の場合には相談してみる余地はあると思います。

ご参考資料 国税庁 新型コロナウイルス感染症の影響により「納税が困難な方には猶予制度があります」

5 国税等の申告期限の延長

国税庁は法人税、相続税、消費税、申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税について期限延長の手続きができると発表しました。新型コロナウイルスの影響で申告手続きが滞っている方はぜひご参考にしていただければと思います。

ご参考資料

国税庁 申告所得税、贈与税及び個人事業者の消費税の申告・納付期限の延長について 

国税庁 法人税・消費税等の申告・納付期限の延長について 

国税庁 相続税の申告・納付期限の延長について